2020.06.24

心のバリアフリーを後押ししたい 都タクシー筒井社長インタビュー

『JapanTaxi』アプリでは、車いす対応可能な乗務員かつユニバーサルデザインタクシーを指定注文できる機能を2020年6月24日(水)より開始します。この機能の最初のパートナーである、京都の都タクシー筒井社長にお話を伺いました。

誰もが気軽に移動できる世界を実現したい

――都タクシーでは、子育てタクシーなど様々なサービスを提供されていますが、どういった思いでタクシー事業を運営されているのでしょうか?

私で創業4代目となりますが、2代目だった祖父が、タクシーで世の中の役に立ちたい、という思いが強い人だったんです。リフト付きタクシーの導入など、移動を求めている人に広くサービスを提供していました。私も、祖父と同じ思いを大事にしています。
儲かる・儲からないという考え方ではなく、「社会や周辺地域で移動を求めている人へ移動を提供する」という、地域交通としての当たり前を磨くことが世の中への貢献につながると考えています。そうすると自ずと、車いす対応や子育てタクシーは、自然と取り組むべき課題になるんです。ただ対応するだけでなく、利用される方が遠慮なさっている部分を事前に察知し解消してあげる。例えば、子育てタクシーのようにあらかじめサービスとして提示しておくなど、事前にこちらから「できますよ!」と大きな声で言ってあげることで、心のバリアフリーにつながっていくと信じています。

――車いす対応機能については、以前より筒井社長からやりたい!と熱烈なリクエストをいただいていました。

以前Mobility Technologiesの社員の皆さんにもお話したのですが、私の息子は不慮の事故により、車いすでの生活をしています。世の中、バリアフリーが進んでいるものの、残念ながら、ハード面だけでなくソフト面でもなかなか進んでいないのが現状です。
極端なことを言うと、タクシー会社の息子なので、毎日僕がタクシーを配車してあげれば移動はできるのかもしれないけれど、息子の「自分で、バスや電車に乗って通学したい」という声を聞いて、同じように「自分で」という思いを持っているけど声に出せない人たちがたくさんいるはず、そんな人たちの背中を押すことを、もっと自分はできるんじゃないか、と思いました。そこでMobility Technologies社に行って直談判したんです(笑)

――アプリで事前に選べるようにしておくことで、「自分で」の気持ちを後押ししてあげられる、ということですね。

「すみません、車いすなんですけど大丈夫ですか?」といちいち断りを入れなければならない、それがある限り気軽に利用しづらいですよね。相手にお伺いを立てずに利用できることが必要です。タクシーだけでなく宿泊など様々なサービスに言えることですが、お店側が「問い合わせてくれたら応えます」というスタンスでは、お客様にとっては、一つ勇気が必要なものになってしまう。お店側が「こんなことできますよ」と言うのを事前に提示してあげれば、お客様は空気を読まなくてもすむ。

――その勇気が必要だからこそ、そもそも移動する気になれないお客様もいらっしゃるかもしれませんね。

遠慮してしまって移動する気になれない、という方が実際にはいらっしゃると思います。サービスを提供する我々が、事前に言ってあげることで、心のバリアフリーを後押しできるはずです。 私たちはタクシーしかできません。でも、我々の取り組みが世の中を少しだけでも動かす一歩であるはずで、今アクションを取ることで、10年後・20年後にはもっと良くなるはずだと信じています。どこでも自由に出かけられる、そんな世界の実現のきっかけになれると嬉しいですね。

公共交通としての使命

――その一方で、運行管理を行う側として、通常のタクシー運行の中での車いす対応の難しさはどういったところでしょうか。

物理的な手間というのが難しさだとは思いますが、解決策としては、代表の想いや理念を乗務員と共有することが全てだと思っています。
道や乗り場で手をあげてくれているお客様を乗せるのはとても簡単なことで、カレーしか出さない食堂みたいなことですよね。これまではシンプルなことで売り上げが上がっていた。でも、コロナの影響ももちろんですが、都タクシーがこれまで積み上げてきたことを考えると、もっと付加価値を提供していかなければならないと思っています。特に、タクシー事業は普通の営利企業とは違います。公共交通としての役割、責任を果たさなければならないんです。

例えば、5年前は京都のタクシー乗務員も、外国人観光客の対応に苦手意識を持つ人もいましたが、今や売り上げの2,3割は外国人観光客の方々ですし、乗務員も誰も抵抗なんてありません。これは世の中に鍛えられたということなんですよね。

車いす対応についても、移乗は全員対応できますが、スロープ対応はまだ全員とは言えない状況です。最初は手間取ることもあるかもしれませんが、慣れていけばハードルは下がり、当たり前にできることになっていくはずです。
常日頃から現場で僕がこういった考え方を話しているので、運行管理を行う職員や乗務員も同じマインドで取り組んでいますし、車いすでの京都観光について本を出した現場の乗務員もいます。全員がお互いを影響し合っていけば、どんどん良い環境になると信じています。

ホスピタリティを追求していきたい

――今後について教えてください

コロナの影響により、京都の5月の売り上げは前年同月比で全国ワースト1位と、とても厳しいものになっています。そんな中でも地域の方に、世の中に、もっと必要とされるタクシーになるには、ホスピタリティを改めて追求していきたいと思っています。
最大の武器は、Mobility Technologiesのようなテクノロジーに強いパートナーがいることです。タクシーに乗車される際のやりとりや気遣いなど、ヒューマンタッチな部分を僕たちが磨きつつ、テクノロジーで便利に出来るところを積極的に取り入れて、誰でも自由に便利に移動できる世界を実現していきたいですね。

筒井 基好(つつい もとよし)
都タクシー株式会社 代表取締役社長
一般社団法人全国子育てタクシー協会 理事

1973年生まれ。家業である都タクシーへ2001年入社し、 2005年12月に30代で社長に就任。約900名の従業員とともに、環境へ配慮した取り組みや、アプリをはじめとした積極的なデジタル活用など、先進的なタクシー経営を行う。
http://www.117385.com/

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